「いつか独立して専業トレーダーになりたいけど、どうすればなれるのかな?」
「実際の人口は?」
こんな風に、会社を退職して自由なライフスタイルを実現させたい方は多いのではないでしょうか。
会社勤めではなく、専業トレーダーの生活に憧れてこの記事にたどり着いた人もいるでしょう。
そこで本記事では、専業トレーダーになりたい人に向けて独立するための方法と手順、最低条件やメリット、注意点について解説します。
専業トレーダーはやめとけ!と言われる理由
専業トレーダーはFXや株式投資、仮想通貨などの投資収入だけで生計を立てている人のことを指します。
主にトレーディングで利益を上げる方が多く、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、長期投資などのトレードスタイルで取引されています。
トレーダーによって手法が異なるため、一日中画面に張り付いている方もいれば、月に数回しか取引を行わない方もおりトレードスタイルは千差万別です。
また、FXの場合は日本時間の月曜日午前7時〜土曜日の午前7時の間で取引を行い利益を上げるのが一般的です。(夏時間の場合は、月曜日午前6時〜土曜日の午前6時)
最近はFXや株式投資、仮想通貨などの投資に興味を持つ方が増えたことで、トレーダーという職業に強く憧れを抱き、専業トレーダーになることを目標とされている方も多いです。
トレードスキルは一生モノなので投資に興味を持つことは素晴らしいことです。
専業トレーダーの人口はどのくらい?
実際に国内でどのくらいの専業トレーダーがいるのでしょうか。Yahoo!ニュースに掲載された記事では「FX投資家の約7割が1年以内に退場」と記載があります。
また、全国の経験者1,000人を対象に回答をとったところ現役のFX専業トレーダーは470人(47%)であり、残りの530人(53%)は退場していることが分かったそうです。
経験者が理想とする「稼いでいるライン」は初心者が思うよりもレベルは高いのかもしれませんが、継続して稼ぎ続けるのは、経験者であっても難しいのでしょう。
利益を出している専業トレーダーは60%以上
金融先物取引業協会が2018年に出しているレポートによると、全体の60.3%がFXで利益を出しています。
利益\性別 | 男性 | 女性 |
100万円以上 | 7.9% | 6.3% |
50万円〜100万円 | 7.3% | 6.3% |
20万円〜50万円 | 10.6% | 8.4% |
20万円未満 | 35.1% | 37.1% |
専業トレーダーで実際に利益を出している人口は少ないイメージがあるかもしれませんが、半分以上も利益を出している方がいることがわかりますね!
専業トレーダーは厳しい?独立する最低条件
①1,000万円近い貯蓄がある
FX専業トレーダーになる人は、数年間分の約300〜1000万円近い貯蓄をされている方が多く、余裕を持って独立されています。
この資金はもしものことがあった場合のリスクヘッジのためのお金なので、FX取引で使用する証拠金とは切り離して考えることが大切です。
例えば、年間にかかる生活費、家族のために使う、損失を出した時の補填、パソコンなどの機材購入などに利用します。
要するに数年間、FXで利益が出なかった場合の最悪の事態に備えたお金なので、このくらいの資金があれば精神的にも楽にFXに専念できます。
お金はいざという時のリスクヘッジになります
②会社で貰うお給料以上のお金をFXで稼いでいる
先述でも触れましたが、FX専業トレーダーになる最低条件として、会社で貰うお給料の倍以上の利益をFXで確保する必要があります。
なぜなら、独立すると会社に頼らず、自身で住民税、国民健康保険料、年金などの税金を支払わなければいけなくなるからです。
税金はフリーで働く人にとって大きいため、最低限会社員の2倍以上の額を稼いでいた方が、お金に執着し過ぎず精神的に楽なトレードができます。
なので、もしも仮に今現在会社員のお給料と同じくらいの金額を、FXだけで毎月稼げているのであれば今の倍以上を稼ぐことを目標にしてみてください。
毎月の生活費を月初の第1週目で確保できる余裕のある状態になると、FX専用トレーダーになっても余裕を持って相場に向き合うことができるでしょう。
③毎月の収支が安定している
FX専業トレーダーは年間を通じて安定したパフォーマンスを発揮できるため、毎年プラスの収支で終えられるのが当たり前です。
例えば、月利5%以上を安定して稼いでいたり、一度もマイナス収支の月が無かったり、機械的に淡々と取引しているなどの特徴があります。
なので、FX専業トレーダーになる条件として「このくらいの金額は毎月稼ぐことができる」と安定した収支を継続する必要があります。
勿論相場状況によっては難しい時期もあるかもしれませんが、そんな時でも冷静に取引を行いプラスの収支で終われるのが専業トレーダーです。
安定した収支を継続すると、自身のトレード手法に確信が出てきてそれが自信になるので、まずは収支を安定させることが専業トレーダーになるための第一歩です。
④FXをやっていて素直に楽しいと感じる
結果を出されているFX専業トレーダーは、FX取引を苦に感じずFXをやっていて素直に楽しいと感じる方が多いです。
これはどんな分野でも当てはまりますが、心の底から楽しいと思わないと継続できませんし、何よりも成果を出すことができません。
継続力と成果は直結しているため、FXに楽しさを覚えることが専業トレーダーとして活躍するための最低条件と言えます。
もしも仮に「辞めたいけど食っていくためにやらなければいけない」「取引するたびに苦しさを感じる」という状態は成果が出ないので要注意。
負けが続いていて精神的に辛い状態に陥っていると、全てがネガティブに感じてしまうので、その場合は少しだけ相場から距離を置くことが大切です。
専業トレーダーになるメリット
時間に縛られない生活を謳歌できる
専業トレーダーになるメリットは、ネット環境さえあればいつでもどこでも稼ぐことが可能なので、自由なライフスタイルを実現できるところです。
時間と場所にこだわらず働くことができるので、人間関係で悩みを抱える必要もなく、自分のペースで働いて生きることができます。
トレードスキルを身に着けて、時間に縛られない生活を目指してみましょう。
自分次第で会社員時代以上に稼げる
FX専業トレーダーになれば、自分次第で利益は青天井に稼ぐことが可能なのが大きなメリットです。
実際に活躍されているトレーダーは、毎月に数百万〜数千万円と稼いでおり、その資金を使用して自分の好きなことをしたり、株式の長期投資をされている方も少なくありません。
特にTwitterには本物のトレーダー達が多くいるので、どんな手法を使っていてどんなマインドをされているのか、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
一生モノのトレードスキルが身につく
金融市場でトレーディングで稼げるようになれば、そのスキルは一生モノになるため、どんな金融商品でも取引できます。
例えば、為替相場で培ったトレードスキルで、仮想通貨や株式、指数や流行りのNTFなど、様々な金融商品でトレードすることが可能です。
トレードスキルを付けるまでが大変ですが、一度投資で稼ぐ能力を付けてしまえば一生使えるスキルになる点が大きなメリットです。
トレードスキルを付けるには3〜4年かかります。
専業トレーダーのデメリット
収入が不安定になる
投資による収入は社会情勢などの不確定要素によって容易に増減します。元本保証のない商品への投資は損失が出ることも珍しくありません。
会社員や公務員から専業トレーダーを目指すなら、不安定な収入体系に慣れる必要があります。
そのため、損失を出しても生活が送れる余剰資金の用意と、損失を出さないためのリスクヘッジが必須となります。
既に大型のローンを組んでいたり、子供の養育費を工面する必要がある方は熟考する必要があるでしょう。
社会的信用を失う
専業トレーダーになり勤務先を失うと、社会的信用も失ってしまいます。
そのためローンを組んだり、銀行から融資を受ける際の審査に悪影響を与えることが予想できます。
車やマイホームなどの購入計画のある方は、ライフプランを再考する必要があるでしょう。
専業トレーダーとして成功する人・失敗する人の特徴
成功する人の特徴
- ある程度の余裕資金がある人
- FX以外の収入源を確保している人
- メンタリティーが強く心に余裕がある人
①ある程度の余裕資金がある人
専業トレーダーとして成功される方は、ある程度資金に余裕があり、安定したパフォーマンスを発揮されている特徴があります。
相場の世界では資金が豊富な方が圧倒的に有利な取引ができるので、無茶な取引をせずチャンスの時だけ取引することが可能です。
例えば、同じポジション量で100万円の資金の人と1000万円の資金の人を比べると、単純計算で利益は10倍違います。
また、100万円の資金の人は確信がなければポジションが取れない一方で、1000万円の資金の方は色々と試すことができます。
資金が豊富だと稼ごう稼ごうと思うことなく、自分の決めたトレードルールを厳守するだけなので、精神的にも楽な取引ができる特徴があります。
資金に余裕があれば、心にも余裕が生まれギャンブルトレードに走りづらいでしょう
FX以外の収入源を確保している人
今現在専業トレーダーとして活躍されている人の中には、FXなどの投資収入以外の収入源を確保されている方も多いです。
例えば、投資ブログやYouTubeなどで情報発信を行い広告収入を得ていたり、何かしらの事業を経営しながらFX取引を行なっている方もいます。
FX以外のある程度の収入源(月20〜30万円)があると、それがリスクヘッジになり、心の安定が得られることでFXの収支結果も良くなります。
実際に有名トレーダーの多くも月に数百万円程度の副収入があることによって、FXトレードでも結果を出されている特徴があります。
②メンタルが強く心に余裕がある人
専業トレーダーに共通している特徴は、普通の人と比べてメンタルが強く感情を上手にコントールできる術があります。
というのも、相場は自分の都合では動いてくれないため、相場に感情を介入させてしまうと、滅茶苦茶な取引が増え大きな損失を抱える確率が高まります。
稼いでいる専業トレーダーは自分を律することができるので、自身が作ったトレードルールを厳守し感情を相場に一切持ち込みません。
そのため、予め決めておいたストップロス(損切りライン)にチャートがきたら、躊躇わずに損切りでき、まるで機械のように取引できる方が多いです。
人間は利益を目の前にするより損を被ることの方が嫌な生き物です。利益よりも損失を増やしてしまう特性があるので注意しましょう。
上手くいっている人は自分をよく知っています。
失敗する人の特徴
- 貯蓄が少なく生活がギリギリな人
- 勉強せず勢いで専業トレーダーになった人
- 会社員以上のお金をFXで稼げていない人
貯蓄が少なく生活がギリギリな人
FXの専業トレーダーになったものの失敗して会社員に戻る人は、貯金が少なく今の生活を維持するだけでも大変な方が挙げられます。
貯金はある意味精神的な安定剤になるため、「このくらいのお金があればやっていける」と思える程度の貯金はあるに越したことはありません。
なぜなら、FXは年間のトータルの収支でプラスになったかどうかを判断するため、当然マイナスの収支で終わる月も出てくるからです。
生活ギリギリの貯金額でFX専業トレーダーになると、貯金が溶けたら専業トレーダーを続けられないので、あなたの挑戦もそこで終わってしまいます。
なので、本気でFX専業トレーダーになるなら、もしものことを想定し、ある程度の余裕のある資金(300〜1000万円)を用意した上で独立しましょう。
勉強せず勢いで専業トレーダーになった人
FX専業トレーダーで失敗する人は、何の勉強もせず勢いで独立してしまった方が挙げられます。
このタイプは「独立」することが目的になっており、「会社を辞めれば時間が増えるから、勉強しながらFXで稼ごう」と考えていたりします。
FXで利益を安定的に上げるには、人にもよりますが3〜4年はかかると言われているので、ある程度稼げるようになってから独立するべきです。
相場に足を踏み入れると、強者達(ベテラントレーダー)と同じ土俵で戦わなければならないため、知識や経験が皆無な状態でFX専業トレーダーになるのは無謀極まりないです。
まずは、会社員をされながら隙間時間でFX取引の基礎を学び、徐々に利益を伸ばしていくことが専業トレーダーになる近道です。しっかり勉強することが大切です。
何事も楽して稼げる方法はありません。
会社員以上のお金をFXで稼げていない人
FXの専業トレーダーは、文字通りFXでの収入で生計を立てなければいけないため、会社員以上のお金を稼いでいないと厳しいのが現実です。
ただ、中には「会社を辞めて専業になれば多くの時間を確保できるから、さらに稼げるだろう」という気持ちで専業トレーダーになられる方も少なくありません。
これだと稼げる保証がないため、結局生活費を稼ぐための無茶な取引が増え、会社員の頃の方が安定した収支が出ていたなんてことに陥りがちです。
今現在FXでの利益が会社員のお給料以下、もしくは同等の収支であれば、まずは会社員のお給料の約2倍程度の収支を目指すことから始めましょう。
「生活費のためにFXで稼がないといけない」という状況は、経済的にも精神的にもキツいので、焦って専業トレーダーにならず、まずは実力を付けてから検討しましょう。
専業トレーダーになる方法・手順を紹介|実践すべき4ステップ
専業トレーダーになりたいと言っても、いますぐ本業を辞めるのはリスクがあります。
そこで会社員をしながらでも専業トレーダーを目指せる4ステップを紹介します。
- 会社員のままFXを始める
- 本業以外はFXに集中する
- 自分のトレードスタイルを確立する
- 会社を退職し専業トレーダーへ
会社員のままFXを始める
FX専業トレーダーになるには、まずは会社員と並行しながらFX取引で利益を上げていくことが大前提です。
毎月のお給料の何割かをFXの資金に投入し、リアル相場からFXの基礎や知識を学び、トレードテクニックを学んでいきましょう。
FXトレーダーという職業は投資家というよりも、技術職に近い仕事なのでまずは経験値を付けて腕を磨いていくことが大切です。
また、「投資」のカテゴリに入るためFXは法律的に副業行為にあたりません。会社員でも公務員でもチャンスがあります。
為替相場は平日の24時間市場が開いており、いつでも取引可能なので帰宅した数時間で実際に取引を行い学んでいきましょう。
本業以外はFXに集中する
FX専業トレーダーになると決めたら、本業以外は全てFXに全集中で臨むことが大切です。
例えば、仕事終わりにカフェでFXの勉強をしたり、帰宅列車の中でデモトレードで練習したりなど、圧倒的な量は質を凌駕し徐々に結果として数字が姿を表します。
初めの頃はFXの右も左も分からないと思いますが、一つずつ分からない単語を覚え取引方法を学ぶと、自分に最適なトレード手法を見つけられます。
人にもよりますが何かしらのきっかけを掴むと、今まで負け続きだったのに面白いように稼げるようになることがあるかもしれません。
今現在第一線で活躍されているFX専業トレーダーも、あるタイミングで稼げるようになったという方が多いので、安定して稼げるようになるまでは諦めず努力しましょう。
自分のトレードスタイルを確立させる
毎月大きく稼ぐ一流のFX専業トレーダーは、自分の確固としたトレード手法やトレードスタイルを確立され利益を上げています。
直感や勘、値頃感でトレードをして稼ぐのではなく、自分なりの「根拠」や「優位性」を持った上で取引しなければ専業トレーダーとしては活躍できません。
「根拠」や「優位性」とは、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析において、ある一定の指標が出た時の勝率の高さのことです。
何を根拠にどんな優位性があるかは各々のトレーダーにしか分かりませんが、FX専業トレーダーになるには自分なりの勝率の高い手法やスタイルを構築することが大切です。
トレード手法は自分の性格的な部分が強く影響します。
会社を退職し専業トレーダーとして活躍する
FXで会社員のお給料の倍以上を安定して稼ぐことができ、貯蓄も1000万円近く準備できれば、いよいよ専業トレーダーとしてデビューです。
もしも奥さんやお子様がいるのであれば、決意を固めしっかりと相談しましょう。なぜなら、家族の協力が必要不可欠だからです。
特にFXトレードは平日の24時間チャートが動いているので、一日中画面に張り付いていたり夜中の3時近くまで取引することもあります。
また、仕事を辞める時も素直に退社理由を伝えましょう。あなたを応援してくれる会社であれば、仕事をオンラインで振ってくれる場合もあります。
そうすれば、為替相場が動いていない時間帯や土日を利用して、FX以外の副収入を得ることも可能なので円満退社を目指しましょう。
専業トレーダーに関するよくある質問
まとめ
ここまで、FX専業トレーダーになりたい人に向け、独立するメリットや手順、成功する人の特徴などを詳しく解説させて頂きました。
FX専業トレーダーに憧れを抱くことは素晴らしいことですが、何事も手順や条件があるので、勢いでなるのではなくしっかり準備しましょう。
準備万端で独立できれば、安定したパフォーマンスが発揮できるため、まずは本記事でお伝えした内容を参考に目標を追ってみてください。
一つずつ階段を登って成長していきましょう。